9月7日 銀行マンのクールビズ[夏場に注意したい着こなしチェックポイント]

午前5時30分

いつものように携帯のアラームと目覚まし時計が同時に鳴る。

「・・・」

風邪をひき、体が悲鳴を上げている。

幸いなことに、声はいつもと変わらず出るので何とか勤務はできそうだ。

頭痛薬、風邪薬、滋養強壮剤を大量に摂取し、

いつも通り支店に向かう。

「おいおい9時だぞ！今日も行けぇ！！」

フラフラする体に鞭を打ち、外に出る。

今日はアポイントがとれていないので、新規営業で何も得られなければ課長に報告するネタが無い。

そんな日に風邪なんて・・・

ついてない。

新規営業を13社。

そして、なんとか1社だけだが応接に通してもらえた。

大きくはないが、融資はできそうだ。

しかも、少額だが借入を検討しているところだという。

翔太はアピールをしつつ、話は次回詰めていこうという話になった。

報告するネタを一つ確保した翔太はひと安心。

丁度良い場所にスタバがあり、少し休むことにした。

手帳を開いて今月のノルマを確認する。

さっきの融資が決まったとしても、今月のノルマの1/6も達成しない。

ワイシャツのレギュラーカラーの幅は約7cmなのだが、

翔太の襟の半分以上が今日かいた脂汗で変色している。

ノルマを意識して、あと1cmはシミが伸びそうだ。

「絶対ムリだろぉ・・・。このノルマ。」

恐怖に駆られ、翔太は上顧客のアポイントを取る。