9月3日 銀行マンのクールビズ[夏場に注意したい着こなしチェックポイント]

午前5時30分

いつものように携帯のアラームと目覚まし時計が同時に鳴る。昨日は一日中家でゆっくり休めた。目覚めは良い。

翔太は菓子パンを毎朝３つ食べる。

それくらい食べておかないと、昼まで持たないからだ。

そのせいか、半年前に買ったスーツのズボンはパツパツ。

スーツを買う時に店員が

「ズボンのサイズは、履いた時に手のひらが入るくらいが良いですよ」

と言って選んでくれたはずだが、そんな余裕は全く無くなっていた。

午前6時50分

電車で読む日経新聞を鞄に入れ、家を出る。

福田 翔太 – プロフィール –

多忙を極める法人営業担当の銀行マン。
27歳、独身。
一人で約30社を担当し、日々の業務に無理が出てきている。
彼が編み出した特技に“エアー耳栓”というものがある。
何事も真に受けてしまう彼の性格は、銀行マンとしてやっていくにはあまり向いていなかった。
そんな彼が苦手な上司、取引先の話から身を守るために自然と身に着いたスキルだ。
エアー耳栓は、ただ話を聞かないのではなく、話の重要な部分だけは聞こえるので相手に話を聞いていないことがばれないのだという。

今日もエアー耳栓を使いながら、彼は日々の激務に耐えている。